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この二人を対比させようという興味を持った時点ですごい。
そして、その企画を通したのもすごい。
さらにこれだけの数の、対になる文章を見つけたのもすごい。
文庫にもなったそうだけれども、本文のデザインがいいので、ぜひ単行本で読んでほしい。
これは文庫で再現するとちょっとつらい気がする。
とにかく「対比」が妙。
両極すぎて、おもしろい。
眩しすぎる人にも理由があるし、後ろ向きすぎる人にも理由がある。
カフカはカフカでいろいろ心当たりがありすぎるし、ゲーテはゲーテで、昔では見えなかった生活が見えたりもした。
もう15年若ければ、カフカ一択だった気もしてる。
けれども自己設定的にはまだ折り返しただけとはいえ、ここからさきは今よりもずっと短くなるのかもしれない。
それなら、やっぱりゲーテに共感しておいたほうが、この先を楽しく生きられるのだろうな、と考えた。
水木しげる先生が、戦地にゲーテとの対話を持っていったというのも、納得できた。
二人のどちらに共感するかは、時代や環境で大きく変わってくるんだろう。
その時のコンディションの確認をするように、手元に置いて何度か開き直してみてもいいんじゃないかなと、考えたりする本だった。
2023年04月14日
希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
posted by まきむら at 00:00| メモ